相続税・相続対策

当事務所の税理士の谷﨑文雄です。私は、大阪国税局、大阪国税不服審判所及び税務署で40数年にわたり相続税・贈与税や不動産の譲渡所得など、いわゆる資産税を中心とする税務・調査・争訟等に携わってきました。この経験を生かし、現在相続税と贈与税を専門とするご相談、相続税対策、申告書の作成を行うほか、税務調査の立会いもサポートさせていただいておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

相続税・相続対策

相続税とは

相続税は、個人が被相続人(亡くなられた人)から相続などによって「遺産に係る基礎控除額」を超える財産を取得した場合に、その取得した財産に課される税金(国税)です。
具体的には、「相続税が課される財産」の価額の合計額から「債務と葬式費用」の合計額を差し引いた金額が、「遺産に係る基礎控除額」を超える場合、その財産を取得した人は、相続税の申告(通常、被相続人が亡くなられた日から10か月以内)をする必要があります。

相続税の計算式

  • 遺産に係る基礎控除額
  • =
  • 3,000万円
  • +
  • (600万円 × 法定相続人の数※)
※「法定相続人の数」は、相続人のうち相続の放棄をした人があっても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいますが、被相続人に養子がいる場合に法定相続人の数に含める養子の数は、実子がいるときは1人(実子がいないときは2人)までとなります。なお、被相続人の死亡に伴い支払われる「生命保険金」や「退職金」のうち、一定の金額まで非課税となりますが、その算式にある「法定相続人の数」もこのカウントの仕方と同様です。

相続税対策とは

相続税対策には、主に(1)争族対策(2)納税資金対策(3)贈与対策などがあります。特に、贈与対策は、相続人や孫などを対象に、贈与する期間が長いほど有効な節税対策を立てられるケースが多くなりますので、お早めのご相談をお勧めします。

  • 1争族対策

    将来の遺産分割協議が円満にいくように生前贈与のほか、遺言などの助言を行います。

  • 2納税資金対策

    事前に相続税の概算額を算定し、不動産や預貯金等の相続財産の構成から、納税資金のプランを作成します。

  • 3贈与対策

    生前贈与を活用した相続税の節税プランを検討します。

効果的な生前贈与のポイント

相続税対策の一つに生前贈与があります。生前贈与とは、贈与者(贈与をする人)が生前にご自身の意志で妻や子・孫等の受贈者(贈与を受ける人)に無償で財産を移転することをいいます。これにより相続税の対象となる財産を減らし(相続開始前3年以内の贈与を除きます。)、相続税を減少させることができます。
また、生前贈与は、一定額以上の贈与について受贈者に贈与税が課税されますが、贈与税と相続税の税負担の差異をうまく活用して、全体的な税負担の軽減を図ることができますので、できるだけ長期にわたり計画的に実行することが重要となってきます。なお、効果的な生前贈与のポイントは次のとおりです。

1

基礎控除額以内の贈与を長期間にわたって実行

1年間に贈与を受けた財産の価額が基礎控除額(110万円)以内であれば、贈与税がかかりませんので、このメリットを最大限活用する生前贈与が効果的です。


具体的には、贈与期間が長くなるほど、贈与税の基礎控除額110万円が毎年活用できるので、贈与税を負担することなく、より多くの相続財産を減少させることができます(例えば、10年間にわたって贈与すれば、110万円×10年間=1,100万円の相続財産を税負担なく移転可能)。


2

多くの人に贈与

贈与税は贈与を受けた受贈者に課税される税であり、基礎控除額も各受贈者ごとに適用され、受贈者が多ければ多いほど基礎控除額部分が多くなり(例えば、子供2人と孫3人の5人に贈与した場合、550万円(1人につき110万円)まで非課税)、相続財産を短期間により多く減少させることでができます。


3

世代を超えて贈与

親が子に生前贈与した財産は、将来、子の相続が発生した際は孫に対する相続税の対象財産となり、また、相続開始前3年以内の贈与であれば、相続税の対象財産に加算されます。そのため、「子」の代を飛ばして直接「孫」に贈与する方法もあります。


なお、孫が20歳未満の場合、贈与財産の額によっては、子に対する贈与よりも贈与税率が高くなる場合(特例税率ではなく一般税率が適用)もありますので、留意する必要があります。


4

基礎控除額を超える贈与の活用

通常、贈与税がかからないよう基礎控除額110万円以内での贈与を考えがちですが、基礎控除額を超える贈与を行い贈与税を納付することで、相続税と贈与税を含めた全体としての納税額が節税となる場合もあります。


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